人間関係のモデル
人間関係のモデルとは、人との関係性において私たちがどういう影響を受けるかといった横軸のモデルになります。 人との関係において、大まかに私たちは3つの時代を経験します。
- 依存時代
- 自立時代
- 相互依存時代
また間違えやすいポイントですが、その人自身が依存人間だ、自立人間だということではありません。 例えば、お母さんが子供に接しているとき、お母さんは自立の立場をとるかもしれません。 でも、旦那さんに対しては、依存の立場をとるかもしれませんね。
また、人だけではなく環境に対しても同じようなしくみが当てはまります。 例えば職場とかですね。 入ったばっかりのときどちらかというと、私たちはその職場環境に依存しやすいです。 このような感じで、まわりとの関係性を読み解いていきます。
恋愛関係の相互依存
先導のステージ
燃えつきのステージから、さらによりよい関係になりたいと感じた場合、先導のステージに移る必要があります。
先導とは自ら先陣を切って痛みに飛び込むことにあります。 つまり、燃えつきのステージにいる人にとって相手に弱みを見せたり、本音を打ち明けることはタブーなのです。負けなのです。
しかし、勝ち負けを超えて、よい関係を築くためには、その一番したくないことをする必要があります。 つまり、彼女であれば、今まで彼と付き合ってきて
- どう感じてきたか
- 今どう感じているか
- これからどうしていきたいか
などを本音で打ち明け、分かち合う必要があります。 すると、お互いに誤解が解け、深いレベルでの理解が生まれ、助け合いの関係性がスタートします。
平等のステージ
相互依存の関係は彼氏・彼女のどちらかが先陣を切って進む必要があります。同時には行けません。
例えば彼女が先陣を切ってリーダーとなって、彼氏を相互依存のステージに導くイメージですね。
しかし、そのうち彼氏も相互依存の関係になれてくると、彼女が導かなくても自然に持ちつ持たれつの関係ができあがります。
これが平等のステージです。
一体のステージ
平等のステージからさらに関係性がすすむと、相手と自分の境があいまいになります。
- 彼女は彼氏の幸せを自分のことのように願い
- 彼女は彼氏の喜びを自分のことように喜び
- 彼女は彼氏の苦しみを自分のことのように思いやります。
家族関係の相互依存
先導のステージ
ここまで読まれてきた方は、お分かりかもしれませんが、これまでの問題は昔の誤解が原因になっています。
親は子供に対する愛情からしつけをします。 しかし、子供は『両親が冷たくなった』と感じるわけですね。
『親は自分の将来のためにしつけをしてくれているんだ。本当はいいたくないことも言わなきゃいけないつらさもあるんだ。』 なんて、察しのいい子供はいませんからね^^;
燃えつきのステージから次にすすむためには、この誤解を解いてもう一度家族とつながる必要があります。
そのためにはあなたが先陣を切って、家族に 『お父さん、お母さんこれまで育ててくれて本当にありがとう。小さいころ私はずっと寂しかったの。でもお父さん、お母さんも手探りで必死に育ててくれた事が今なら分かります。』 と大人の立場で本音を打ち明ける必要があります。
そうすることで、両親もかかえてきた苦悩を話してくれるでしょう。 それらを分かち合ったときに相互依存の扉が開くのです。
平等のステージ
あなたが先陣を切って、相互依存のステージを切り開いたとします。 相互依存は、助け助けられる関係です。 あなたも両親も自分の生きたい人生を生き、助けが欲しいときにはお互いに助け合います。 はじめは両親も相互依存の関係になれていませんから、あなたが積極的に働きかける必要があるかもしれません。
- お母さんだれか○○な人がいたら紹介してくれないかな?
- お父さん、ちょっとこの仕事手伝って欲しいんだけど。
など、最初はあなたの働きかけが必要です。 しかしそのうちに両親も相互依存の関係になれてきます。 すると、あなたの働きかけがなくても自然に持ちつ持たれつの関係が成り立っていきます。
- あなたも自然に両親にお願いし、助けを受け取って感謝します。
- 両親も自然にあなたにお願いし、助けを受け取って感謝します。
そんな平等な関係がそこに成り立ちます。
一体のステージ
さらに相互依存の関係がすすむと、『両親』が『私』がという境目があいまいになってきます。
- 両親の幸せを自分のことのように願い
- 両親の喜びを自分のことように喜び
- 両親の苦しみを自分のことのように思いやります。
心は平静で、常に満たされ、過剰にものを欲したりイライラしたりすることもありません。
相互依存とは?
相互依存とは助け合いの関係性のことです。
人にべったり頼るわけでもなく、かと言って自分さえよければいいわけでもない。
『お互いに同じ方向を向いてがんばっていきましょう』
という意味ですね。
バレーボールとかの団体競技をイメージすると分かりやすいですね。一人一人はきちんと自分の仕事をするし、かといって独りよがりでもないわけです。
『そういう関係性を実生活でも実現してしまおう!』というのが相互依存の関係性です。
相互依存の基本はパートナーシップです。
さてここでおさらいですが、依存・自立に共通していることは何でしょう??
勘のいい方はお気づきかもしれませんね。
答えは、どちらも『自分さえよければいい』という立場を取っていることです。
- 依存の立場にあるときは、相手が自分にどれだけ愛をくれるかだけを気にかけます。
- 自立の立場にあるときは、自分がどれだけ有能になってまわりから認められるかをを気にするわけです。
つまり、どちらにも共通しているのは『自分がまわりから愛されたい』という気持ちなのですね。相互依存では、主語が『私』から『私たち』に変わります。
先導のステージ
相互依存の第1ステージは先導です。
つまり、あなたがリーダーシップをとってまわりを先導するステージですね。
というのも一気にみんなが相互依存の関係になれればいいのですが、それは現実的にありえません。
なぜなら相互依存は多くの人が経験したことない関係性だからです。
だから、あなたがまず先陣をきる必要があります。
平等のステージ
相互依存がすすんでレベルが上がると、次は平等のステージにいきます。
平等のステージの人も、もちろんリーダーシップを発揮するのですが、自分が特別だと感じていません。
このステージの人は、
『自分もみんなと同じヴィジョンに向かってすすむ一人のチームメイトだ』
と感じています。
人間的にとてもよくできた社長さんに、このステージの人が多いですね。
一体のステージ
相互依存のステージも行き着くと、自分と他人の境目がなくなります。
- 相手がうれしいとき、自分のことのように喜びます。
- 相手がつらいとき、自分のことのように思いやります。
このステージの人は、『自分がこれだけやったからこれだけもらおう!』とすらも思いません。
マザーテレサのようなイメージですね。 彼女にとっては、がんばった分の報酬が自分に入るかどうかなんてどうだってよかったのです。 ただ、彼女は人の苦しみや喜びをまるで自分のことのようにとらえ、行動した人でした。